電子辞書は必要か否か
ボクは初渡独から長らく紙の辞書を使っていのだが、今は主に電子辞書を活用している。初めて電子辞書の有用性を知ったのは2003年の10月、トリーア大学の DSH クラスに参加したときのこと。いままで語学学校のボクにクラスにはほとんど日本人がいなかったのだが、同大学に来てみたら、ちょうど日本からの十数人の交換留学生集団が来ていた。彼女らのほぼ全員が手にしていたのはカシオ社製の EX-Word XD-R7100 という機種の電子辞書だった。後で調べたところによるとこれは同社がドイツ語辞書を登載した最初の機種で、2003年当時には既に型遅れとなっていたこともあり市場には安値で出回っていた。
当時のボクはと言えば、まだ授業中に出てくる単語の3分の1くらいが分からない状態だった。当然にも授業中はひたすら辞書を引きまくらねばならない。一方ほかの日本人はというと、紙の辞書ではなく電子辞書を叩いている。実際のところどれほど有用なのか分からなかったボクは、それを横目で見ながら一人密かにで辞書引き競争をしかけていた。しかしその早さは圧倒的。彼女らは難なく授業を理解しているように見えた。
ボクは休み時間にこれを借りてみたのだが、やはりこれは便利だ。ただ紙の辞書と違い、一目で全説明が見えるほどディスプレイが大きくないことには少々不満を感じていた。しかし間違いなく言えることは、授業中や契約交渉、電話中、あるいはテレビやラジオを聞いている最中に分からない単語をササッと調べるのには非常に適しているように思えた。
次にボクが日本に一時帰国したのは、それからおよそ1年後のことだった。ボクは秋葉原で電子辞書を探したのだが、予想外に高いものだと知った。それでもなんとか安い店を探し購入したのは、1年前にトリーアで見たのと同じ機種だった。このころは正に底値とも言える価格で、ボクは¥15500でインターネットで買うより遥かに安い値で手に入れる事ができた。
実際に使ってみてボクは驚いた。友達から短時間借りて試しに使っていたときと違い、電子辞書をメイン辞書として学習を進めたときの学習速度は紙辞書とは比べ物にならない。その違いは基礎クラスの生徒に新聞を読ませたら一目瞭然だろう。電子辞書はドイツ語上級者より、むしろ単語両が圧倒的に不足している学習者には明らかに
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