kon.T の 「こっそり日記」
(10)女と男 (9)ヒット数、11,166 (8)正月12時間前のご挨拶。 (7)経歴証明の文化的相違 (6)「外為相場相場」とボク
女と男2006-06-07 (Wed)


 日本での日常生活の中で欲しいものと、ドイツ生活中に欲しくなるものはやっぱり違う。それは特に食べ物に言えることだが、ボクなんかはやっぱり寿司とかうどんとか中華料理、おでんなんかの食材が欲しくなったりする。
 日本に帰るたびに海苔とかうどんスープの素なんかを仕入れてくるのだけど、そういうときには当然友人らからも依頼を受ける。依頼と言っても結局は金なんぞ取りゃしないんだから、結局は「私にプレゼントしなさいよ」ってことになってしまう。そんななか、結構な頻度で頼まれる意外な商品がある。
 全国チェーンの100円ショップ「ダイソー」は、ボクら貧乏留学生の味方だ。100円のくせに商品自体も悪くないし使い勝手がいいのだが、さすがに化粧品部門になると少し不安に感じてしまう。特にボクのような男が使うものではないから、その安全性は自分の肌を持って確かめることもできない。本当に大丈夫なのだろうか。

 しかしあるとき「2ちゃんねる」の書き込みが話題になった。ダイソーで販売されているあるクリームの効果が、日本で密かに注目を集めているというのだ。これが留学生の目にもとまったものの、日本にいないから買うことができない。人間、買えないと思うと余計に欲しくなってしまうものだ。しかも「密かに注目」というのがクセ者で、買おうと思っても、なかなか女性には買いにくいものらしい。そして留学生なんてそのほとんどが女性とくれば、自ずとボクのところに注文が集まる。
 その商品というのが「ちくびクリーム」。商品パッケージの裏面説明によると、「黒くなった乳首がピンク色に!」なるらしい(笑) ボクはいったいこれまでに何十本買っただろうか。ボクが一時帰国すると、地元のダイソーの乳首クリームが一時的に品薄になってしまうほどだ。
 幸いにもダイソーにはパートやアルバイトが多いらしく、いつも違う店員なのがありがたいものの、買い物カゴに大量の乳首クリームが入っているのを見られると「ボクの彼女は真っ黒だ」といっているような気がして実につらい (ちなみに彼女に買ってきたことはない)。
 しかしこのクリーム、本当に効果があるのだろうか? もちろん買ってきてあげた友人達に聞いても答えるはずはない。そもそもボクに注文するときは、大抵みんな「私の友達が買ってきて欲しいんだって」というので、いったい誰が使っているのかもさっぱり不明。
 ただ…、ドコから聞きつけるのか、ボクが一時帰国するという情報が流れるや否や必ずといっていいほど何本か頼まれるので、恐らくは効果があって…、女の子たちの間で話題になっているんだろうなぁ…、と想像してみる以外にない。

 そして何より考えさせられるのは、「なぜみんな、他の男には頼まないんだろう…」ということだ。いいよ…、分かってるってば…、だれもボクのことを男だと思ってないんでしょ…。ボクの前で、みんな平気でいろんなことを話しちゃうんだもん。
 だから最初は「なぜボクに聞く?!」って感じだった質問にも最近では普通に、「あぁ、日本製と同じクオリティのナプキンなら always を買えばいいよ。日本で売ってるウィスパーと同じ製品だから。ただ日本では15種類あるはずだけど、ドイツの店では大抵9種類くらいしか置いてないから注意してね。だって日本では5種類ある羽無しが2種類しかないし…」 などと答えてしまっている自分が嫌になる。
 最近よく言われる。「ホントに考え方が女っぽいよねー」。大いなる屈辱だ…。中学時代は剣道にいそしみ、高校時代は山男として山に篭り、大学ではビリヤード部、社会ではジャーナリストとして駆け回ったボクが、女の子に囲まれ続けたことで今や「思考が女っぽい」らしい。いったいどうしたものか。

 昨日、街中でハローキティーを見かけた。ボクの小さい頃からなぜかこのキャラクターは女の子に人気だ。たしか初恋の女の子もいっぱい持ってたよな…、などと思いながら手にとってみた。店員が言った。「最近は男性にも人気があるんですよねー。"え?この人が?" って感じのオジさんも買って行かれるんですよ」。
 店員に声をかけられ一瞬 「まずい、また女っぽいと思われてしまう!」と焦った。しかし 「男性に人気」 と聞いたことで 「あ、ボクって男らしいってことか」 と思い直し、少しだけ気分が晴れた。男っぽく見られるって素敵♪

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ヒット数、11,1662006-01-03 (Tue)

 「ドイツ語とボク」への昨年1年間の訪問者数は、のべ1万1千116人でした。更新が遅れているにもかかわらずお越しいただきありがとうございました。
 1万人を越えたのはちょっと嬉しい。あくまで「のべ」ですが、そもそもドイツ留学ってテーマ自体が特殊なのでこの数字には喜んでもいいと思いますね。
 では本年もよろしく。

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正月12時間前のご挨拶。2005-12-31 (Sat)
(ドイツ時間でお正月の12時間ほど前ですが)
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
う~ん、忙しいので特に書くことなし(笑)
ま、例年通り、いつも通りの1年の幕開け。
願わくば変わり映えのある、面白い1年でありますように。
独ボクの制作が進みますように。
2006年元旦12時間前
kon.T
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経歴証明の文化的相違2005-12-21 (Wed)
 昨日、友達からHelp要請があった。大学に出願して履歴書を送ったものの、大学側から「日本で働いていたときの就業証明書が添付されていない」と指摘されたらしい。
 正社員でもアルバイトで同じだが、そもそもドイツで雇用されると、退職時に社長や店主が必ず就業期間の証明書を書くことになっている。しかし日本にはそんな習慣などなく、証明書をもらうことなど当然できない。それは当たり前のことだが、これをドイツ人に分からせるのはちょっと難しい。
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「Rolling stone gathers no mos (転石苔を生ぜず)」の言葉の意味が日本と欧米諸国で意味が逆転しているのは有名な話だ。つまり日本では、転職を繰り返すなどして腰を落ち着けることができない人は苔を生じないという悲観的な意味で、それは技術の習得もままならない、我慢強さの足りない人を指して用いられる。対して欧米では、常に転がり続けることによって苔など生える余地のない、常にフレッシュで活動的な人のことを指して肯定的に語られる。
 元来の日本において転職は悲観的な行為であり、転職経歴などあまり大きな声では言えないという風潮があった。だが欧米においての転職は「キャリアを積む」ということに直結するため、転職経歴は人前でも誇って言えるものらしい。そして誇って言うためには、当然にも証明するものが必要となる。だからドイツで就職活動をする際には、これまでの経歴を証明する書類を、一枚でも多く持参して面接に臨むのだ。
 この文化はドイツのみならずオーストリア、スイス、チェコ、ポーランドでも聞いた事がある。しかしよくよく調べてみると、欧米文化では一般的なことらしい。つまりヨーロッパ人にとって証明書の発行は当たり前のことであり、就業経験のある人は必ず書類を提出できるものだと思いこんでいる。
 ボクはまだ正確な情報を掴めていないのだが、恐ろしいことにどうやらこの文化は南米でも北米でも中東でも同じらしい。つまりヨーロッパ人にしてみれば「世界中で当たり前」のことと思われている節がある。
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 ボクの友人が大学に指摘されたのは、そういう状況からすればもっともな話だ。実はボクも以前同じ事で指摘されたことがあり、そのときは何とか説明して事無きを得たのだが、昨日ボクにHelpを出してきた友人の場合は大学側をうまく理解させることができなくて困っていた。取り敢えず大学への説明方法を教えておいたのだが、果たして結果はどうなるだろうか。
 文化は国毎に違うが、外国人居住者の多いドイツにおいてはどんな違いも説明さえすれば比較的簡単に分かってもらえる傾向にある。しかしこの経歴証明の違いに関して理解させるのは、そう簡単でない。
 中国ほどでないにしても、日本の文化にも世界の非常識な部分は結構多い。大使館など公的機関による周知、公的説明書類の発行が必要だ。こんど大使館に行ったときにでも理解を求めたいのだが…、果たして乗ってくれるだろうか。


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「外為相場相場」とボク2005-12-16 (Fri)
 ここ2~3日、外為相場が面白い。
 ユーロランド、即ちユーロを通貨とする国々が現れてそろそろ7年を迎えようとしている。当初は11ヵ国、人口2億9000万人が利用を開始し、そしてボクにとっても重要な国であるドイツは、その先導役としての地位を担ってきた。
 ユーロという通貨が正式に流通し始めたのは2002年の元旦からだ。しかし実際には1999年1月から為替相場に登場し、このときからユーロランド諸国のかつての通貨相場が連動するようになった。だからユーロ相場の変遷を見る場合、1999年にまでさかのぼることができる。
 7年前、ユーロ誕生の頃の市場評価は高かった。それは新たな経済共同体への信頼の高さ、そしてその将来性を買われてのことで、まだ円の強かった当時でさえ対円相場で1ユーロ130円前後をつけた。しかしそれは2001年までに急速に下落。2000年の第4四半期には一時的に対円相場で90円を割り込んでいる。
 もっとも、この時期の円対米ドル相場を見ても分かるように、ユーロが安くなった以上に円の値上がりも激しいため、ユーロの信用力がいきなり70%になったとは言えない。しかし円の対ユーロ、対米ドル相場を比較してみると、明らかにユーロ自体の評価が下落していることが分かる
対円ユーロ相場
対円米ドル相場
この時期はもともと貨幣価値の低かった、つまり通貨に信用の置けなかった国々のユーロ参入がようやく警戒感を誘発。ユーロ通貨自体の信頼性を疑う材料と注目されはじめ、これが市場相場に大きな影響を与えた。
 ところが直後の2001年1月の為替相場では、いきなり対円110円前後を推移する大反発を見せた。言ってみればユーロの反撃はここから始まり、以後は上り調子となる。もちろんこの原因には円自体の下落も大きく関与しているが、とにかくわれわれ留学生を悩ませる事態は、この時から始まったと言っていい。
 2001年は一時的にまた100円に迫る安値を見せたユーロだが、おおよそ110円当たりを推移していた。ところが硬貨・紙幣の流通開始を見越してか、2002年1月までにユーロはまた猛烈に値を上げる。この年の第3四半期まではおよそ110円後半を推移し、第4四半期に120円を大きく超えてからは、今にちまで一度も120円を切ることがなくなった。
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 さて、今年2005年のユーロは対円130円から140円を推移している。140円50銭当たりが上限だろうというボクの当初の予想をはるかに超え、先週から今週にかけては143円を上回る市場最高値をマークしてしまった。日本で稼いだ資金を食いつぶすボクは、そろそろ限界感を感じはじめていた。
 ところがここ2~3日、その状況が大きく変わろうとしている。1ヵ月の短期推移のグラフ
対円ユーロ相場(過去1ヵ月)
を見れば一目瞭然だが、ここまでのユーロ上り調子に大反発して、いきなり138円まで落ち込んだのだ。一体何が起こったのか、ボクは調べてみた。何の事はない、ユーロの下落ではなく、なんと円の高騰なのだ! 原因は日本の景気回復。厚生労働省が15日発表した2005年上半期の雇用動向調査も大きく影響を与えているようだ。
 もちろんこの動きにはまた反発も起こると思うが、どっちにしても久々の日本円躍進の兆しが見えてきた。まぁ、円が上がれば輸出不況を招くので景気不振につながると言えなくもないが、ボクら留学生にとっては手を叩いて喜ぶしかない。
 今後の相場はどう動くのか。ここしばらくは外為相場から目がはなせない。あぁ、神様お願いします。どうかこのまま円高を後押ししてください。無心論者ですが、今月と来月くらいは信じますから…。


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