ここ2〜3日、外為相場が面白い。
ユーロランド、即ちユーロを通貨とする国々が現れてそろそろ7年を迎えようとしている。当初は11ヵ国、人口2億9000万人が利用を開始し、そしてボクにとっても重要な国であるドイツは、その先導役としての地位を担ってきた。
ユーロという通貨が正式に流通し始めたのは2002年の元旦からだ。しかし実際には1999年1月から為替相場に登場し、このときからユーロランド諸国のかつての通貨相場が連動するようになった。だからユーロ相場の変遷を見る場合、1999年にまでさかのぼることができる。
7年前、ユーロ誕生の頃の市場評価は高かった。それは新たな経済共同体への信頼の高さ、そしてその将来性を買われてのことで、まだ円の強かった当時でさえ対円相場で1ユーロ130円前後をつけた。しかしそれは2001年までに急速に下落。2000年の第4四半期には一時的に対円相場で90円を割り込んでいる。
もっとも、この時期の円対米ドル相場を見ても分かるように、ユーロが安くなった以上に円の値上がりも激しいため、ユーロの信用力がいきなり70%になったとは言えない。しかし円の対ユーロ、対米ドル相場を比較してみると、明らかにユーロ自体の評価が下落していることが分かる
対円ユーロ相場
対円米ドル相場
この時期はもともと貨幣価値の低かった、つまり通貨に信用の置けなかった国々のユーロ参入がようやく警戒感を誘発。ユーロ通貨自体の信頼性を疑う材料と注目されはじめ、これが市場相場に大きな影響を与えた。
ところが直後の2001年1月の為替相場では、いきなり対円110円前後を推移する大反発を見せた。言ってみればユーロの反撃はここから始まり、以後は上り調子となる。もちろんこの原因には円自体の下落も大きく関与しているが、とにかくわれわれ留学生を悩ませる事態は、この時から始まったと言っていい。
2001年は一時的にまた100円に迫る安値を見せたユーロだが、おおよそ110円当たりを推移していた。ところが硬貨・紙幣の流通開始を見越してか、2002年1月までにユーロはまた猛烈に値を上げる。この年の第3四半期まではおよそ110円後半を推移し、第4四半期に120円を大きく超えてからは、今にちまで一度も120円を切ることがなくなった。
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さて、今年2005年のユーロは対円130円から140円を推移している。140円50銭当たりが上限だろうというボクの当初の予想をはるかに超え、先週から今週にかけては143円を上回る市場最高値をマークしてしまった。日本で稼いだ資金を食いつぶすボクは、そろそろ限界感を感じはじめていた。
ところがここ2〜3日、その状況が大きく変わろうとしている。1ヵ月の短期推移のグラフ
対円ユーロ相場(過去1ヵ月)
を見れば一目瞭然だが、ここまでのユーロ上り調子に大反発して、いきなり138円まで落ち込んだのだ。一体何が起こったのか、ボクは調べてみた。何の事はない、ユーロの下落ではなく、なんと円の高騰なのだ! 原因は日本の景気回復。厚生労働省が15日発表した2005年上半期の雇用動向調査も大きく影響を与えているようだ。
もちろんこの動きにはまた反発も起こると思うが、どっちにしても久々の日本円躍進の兆しが見えてきた。まぁ、円が上がれば輸出不況を招くので景気不振につながると言えなくもないが、ボクら留学生にとっては手を叩いて喜ぶしかない。
今後の相場はどう動くのか。ここしばらくは外為相場から目がはなせない。あぁ、神様お願いします。どうかこのまま円高を後押ししてください。無心論者ですが、今月と来月くらいは信じますから…。
蛇足:
外為相場については本文記事 各種契約:外為相場基礎知識 も参照のこと
ユーロという通貨が正式に流通し始めたのは2002年の元旦からだ。しかし実際には1999年1月から為替相場に登場し、このときからユーロランド諸国のかつての通貨相場が連動するようになった。だからユーロ相場の変遷を見る場合、1999年にまでさかのぼることができる。
7年前、ユーロ誕生の頃の市場評価は高かった。それは新たな経済共同体への信頼の高さ、そしてその将来性を買われてのことで、まだ円の強かった当時でさえ対円相場で1ユーロ130円前後をつけた。しかしそれは2001年までに急速に下落。2000年の第4四半期には一時的に対円相場で90円を割り込んでいる。
もっとも、この時期の円対米ドル相場を見ても分かるように、ユーロが安くなった以上に円の値上がりも激しいため、ユーロの信用力がいきなり70%になったとは言えない。しかし円の対ユーロ、対米ドル相場を比較してみると、明らかにユーロ自体の評価が下落していることが分かる
対円ユーロ相場
対円米ドル相場
この時期はもともと貨幣価値の低かった、つまり通貨に信用の置けなかった国々のユーロ参入がようやく警戒感を誘発。ユーロ通貨自体の信頼性を疑う材料と注目されはじめ、これが市場相場に大きな影響を与えた。
ところが直後の2001年1月の為替相場では、いきなり対円110円前後を推移する大反発を見せた。言ってみればユーロの反撃はここから始まり、以後は上り調子となる。もちろんこの原因には円自体の下落も大きく関与しているが、とにかくわれわれ留学生を悩ませる事態は、この時から始まったと言っていい。
2001年は一時的にまた100円に迫る安値を見せたユーロだが、おおよそ110円当たりを推移していた。ところが硬貨・紙幣の流通開始を見越してか、2002年1月までにユーロはまた猛烈に値を上げる。この年の第3四半期まではおよそ110円後半を推移し、第4四半期に120円を大きく超えてからは、今にちまで一度も120円を切ることがなくなった。
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さて、今年2005年のユーロは対円130円から140円を推移している。140円50銭当たりが上限だろうというボクの当初の予想をはるかに超え、先週から今週にかけては143円を上回る市場最高値をマークしてしまった。日本で稼いだ資金を食いつぶすボクは、そろそろ限界感を感じはじめていた。
ところがここ2〜3日、その状況が大きく変わろうとしている。1ヵ月の短期推移のグラフ
対円ユーロ相場(過去1ヵ月)
を見れば一目瞭然だが、ここまでのユーロ上り調子に大反発して、いきなり138円まで落ち込んだのだ。一体何が起こったのか、ボクは調べてみた。何の事はない、ユーロの下落ではなく、なんと円の高騰なのだ! 原因は日本の景気回復。厚生労働省が15日発表した2005年上半期の雇用動向調査も大きく影響を与えているようだ。
もちろんこの動きにはまた反発も起こると思うが、どっちにしても久々の日本円躍進の兆しが見えてきた。まぁ、円が上がれば輸出不況を招くので景気不振につながると言えなくもないが、ボクら留学生にとっては手を叩いて喜ぶしかない。
今後の相場はどう動くのか。ここしばらくは外為相場から目がはなせない。あぁ、神様お願いします。どうかこのまま円高を後押ししてください。無心論者ですが、今月と来月くらいは信じますから…。
蛇足:
外為相場については本文記事 各種契約:外為相場基礎知識 も参照のこと