渡欧のあらすじ

 このサイトはあくまで「DSH試験に向けてドイツ語を如何に学んだか」を紹介するものであって、ボクの個人的な「ドイツ留学物語」を紹介しようというものではありません。よってボクが留学した理由であるこの 「渡欧のあらすじ」 については特に重要ではないので、読み飛ばしてもらって結構です。どっちみち、それほど詳しくは書きませんから・・・。

「ボク」の留学について

大学入学まで・・・
留学生同士が集まってカフェでおしゃべり。うまく話せなくても土俵は同じ。(写=Wien)
 小学校を卒業する頃、ボクの中に大きな疑問が発生。その疑問を解決するため日夜考えつづけたものの、小学生のボクにそれは難し過ぎた。考えれば考えるほど深みにはまり、図書館に通っては文献をあさり時間を費やす毎日だった。中学2年生までに気付いたのは、「経済学部に進まねばならない」 ということ。全てのカギは経済学の中にあると思い込んだのだ。とにかく経済学の本を読み、来たる大学経済学部での学生生活に備えていた。

 しかし経済学部に入ってみると、自分に必要なものが実は経営学であったことが判明。半年後には専門の学者がいる大学に改めて入りなおして、以来大学卒業まで「本の虫」となった。

初めての留学について・・・
 さて、そんな生活の中で両親がボクに言った「大学在学中に一度は留学くらいしておけ」という言葉は、非常に嬉しい提案だった。
初めて通った語学学校はパンフレットで選んだ (写=2003年に入手したドイツ語版)
というのも、実は小学5年生の時にアメリカ交換留学というプログラムがあり、ボクはこれに参加する予定だった。ところがアメリカの学校制度では入学は9月。4月生まれのボクは当然にも対象外となり、渡米計画は突如無に帰した。この悔しい思い出はボクの中に長くくすぶっていて、そのことは両親もよく知っていた。大学生になったボクに両親が短期でも留学を勧めてくれたのは、このためだたったと思う。まぁ…、未だ父の業界がバブルの尾を引いていた、ということでもあるが。

初めての語学学校選び
 さて語学留学のために、まずは語学学校を探さねばならない。しかし両親の勧めで 「留学してみようかなぁ」 と 突然思い立ったボクには、自力で学校を探し出すことなど不可能だった。確かに今のご時世なら、書店の資格関連や旅行書コーナーで留学に関するの本くらい目に付いたはず。しかし当時はまだそれほど多くの留学関連書籍は売られていなかったし、なにより旅行書コーナーへなど行く機会の無かったボクは、そんなものが存在するとは思いもしなかった。え? インターネット? もちろん今ならそれも可能だろう。小学生のころからパソコンを触ってきたボクが気づかないはずはない。しかし1996年当時は、インターネットで得られる情報なんてごく限られていたのだ。

 で、結局ボクが語学学校を見つけたのは大学の学生課だった。窓口に日本語の留学案内パンフレットがあり、見るとどうやら日本人の担当者がすべて面倒を見てくれるらしい。しかも事務所は、実家のそばにもあるじゃないか。英語すら自信の無いボクには願っても無い。そのパンフレットは EF- Internationale Sprachschulen という大手の語学学校のもので、当時はアメリカ、イギリス、フランス、スペイン・イタリア・ドイツ・マルタなど世界十数ヵ所に校舎を持っていた (ちなみにこの学校には、非常に、滅茶苦茶、とっても、とっても、バカ高い授業料を請求された)。当時はミュンヘン校が最も高かったのだが、ボクはそのカタログの中からミュンヘン校を選ぶことにした。理由は、

1, いずれは大学院に進学したいと漠然と思っていた。しかし課されるであろう語学テストでは、名門大学出身者との競争に勝てないと判断。よって英語以外の語学をマスターせねばならないと思った。
2, どうせ学ぶなら、その言語で生きていく可能性も考慮したかった。例えばもし中国語を選んだ結果、それがもとで中国に永久に住むことになった場合、中国でいくら稼いでも将来日本に戻れないだろうと考えた。よって貨幣価値の高い、経済の安定した国を選ぶ必要があった。
3, 第二次世界大戦で共に敗戦国となった日本とドイツが、今なぜ他国を圧倒し得る経済力を身につけられたのか? この点でドイツは、大学時のテーマであった 「企業の雇用形態がもたらす社会変化」 に有用な答えを出してくれそうな気がした。
4, 当該言語に関して全く知識がない人間が、たった2ヵ月間の留学でどの程度話せるようになれるのか。「外国語は外国で習うのが早道」 という言葉が、それが本当に正しいのか身を持って知りたかった。そしてボクはドイツ語など全く知らなかった。
5, 大学で公私共にお世話になっていた先生の専門がドイツ哲学。ドイツ語の授業も担当していたその先生の、心象を良くしたいという下心もあった。

 しかしこの短期留学がボクの人生を大きく左右するとは、このとき全く考えていなかった・・・。

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