ドイツの語学学校へ

10、受付事務の姿勢(きめ細かさと粘り強さ) メニュー
留学斡旋窓口でのこと・・・。
 会社を辞めてボクが最初に行こうと決めた語学学校は Cltura Wien と Uni Lipzig Herder Institut - inter DaF (以下、inter DaF) だった。これらの学校は「成功する留学 ドイツ・スイス・オーストリア編2001-02」(ダイヤモンド社刊 2000 Tokyo)で見つけた。さて問題はどうやって申し込むか。同書によると、ダイヤモンド社には留学斡旋窓口(留学情報センター)があって、ここで申し込み事務一切を請け負ってくれるらしい。取り敢えずカウンセリングだけならタダらしいので行ってみた。

 話によると1校の申し込みにつき、確か30,000円ほど(当時)だった。これはボクにとって安い額ではない。かといって自分で申し込むのも大変だし、何より時間がかかり過ぎるだろう。そこで30,000円の出費だけには目をつぶることにして、どちらか一方を自分で申し込もうと思った。どちらの学校に自分で申し込むべきかだが、実はこれはすぐに決まった。大学の一機関であり、恐らくはお役所仕事的な対応をするであろう inter DaF より、私立学校の Cltura Wien の方が話しやすいに決まっているからだ。「成功する留学」の留学情報センター・名古屋デスクで担当者と話しながら、ボクは頭の中でそう考え尋ねてみた。 「Cltura Wien ってどんな学校ですか? 悪い評判は聞きますか?」。担当者が話すには、

 「悪い評判はまだ聞いていませんが、正直な話まだあまり取り扱ったことはないのでよく分かりません。ドイツ語を習う場合、普通はドイツに行きますしねぇ。ですが受付事務には好印象を持っています。これは一概に言うことはできませんが、受付事務のいい学校は大抵よい評判を聞きますし、あとで問題が起こっても対応が迅速。そういう学校では授業にも不満が少ないと思います」。

「inter DaF ですか・・・。正直言って私たち担当者泣かせの学校ですね。返事が遅いし、場合によっては的を得ない回答をよこしてきます。ただ学校としては大学の付属機関ですし、また非営利なので悪い学校では無いはずなのですが、正直なところ受付に関してはかなり困った学校の部類に入りますね」。

 やはりそうだ。ボクは Cltura Wien の方に自分で申し込み、留学斡旋窓口では inter DaF の手続きのみお願いした。



  Cltura Wien はたった4日間、 e-mail のみで話はまとまった。確かに応対は非常に良かった。一方 inter DaF の方はというと、業者にお願いしたにも関わらず1ヵ月経ってもまだ完了しない。これは留学斡旋デスクが無能なのではなく、明らかに inter DaF 側の対応の悪さだったに違いない。担当のお姉さんは「本当に申し訳ありません」と何度も頭を下げてくださったが、そんなことは初めから分かっていたことなので責めるべきではない。とにかく全力を尽くしてもらうようにお願いしたが、結局はさらに3週間ほどかかったように覚えている。

  (事務処理の悪かったのはあくまで inter DaF の方であり、「留学情報センター・名古屋デスク」の対応が悪かったわけではないので、誤解のないよう明記しておきます。同デスクは非常に懇切丁寧な応対でした)
上記は2001年春のやり取り

 さて、上記の話の中で出た「受付事務のいい学校は大抵よい評判を聞きますし、あとで問題が起こっても対応が迅速。そういう学校では授業にも不満が少ないと思います」であるが、この認識についてはボクも間違っていないと思う。どんな学校でも生徒の不満はまず事務所に集まるが、事務員がイイ加減であればその不満はいつまでも解消されない。逆に事務員が有能であれば、適切かつ迅速に問題が解決する。事務が正常に機能していれば、授業内容にも常にチェックが入り改良が加えられるため、学校全体としても良質になってゆくというものだ。学校を選ぶ場合、我々は授業内容ばかりを気にかけてしまいがちだが、しかし実は事務こそが学校の良し悪しを決めるといっても過言ではないのだ。

 語学を学びたい者が出す e-mail なんて内容は大抵めちゃくちゃだ。しかしそれは当たり前。言葉が分からないから学びたいのであって、外国語を正確に書ける人には語学学校なんて無用なのだから。語学学校の受付担当職の難しさは、このようなめちゃくちゃな言葉で話しかけてくる、あるいはインチキな手紙を送りつけてくる相手に適切な返事を返さねばならないところにある。そのためにはまず、そのめちゃくちゃな手紙の中から相手の意図を解読しなければならないが、当然にもこれには根気と粘り強さが必要だ。
往復書簡
語学学校とのメールのやり取り


 より有能な事務員になると、送られてきた手紙に使われている単語から相手の言語習得レベルを把握する。その上で、相手が知っているであろう単語のみを使って、平易な返信文を作成しようと心がけるだろう。この場合、この返信文は一般的なドイツ人が使う言葉、表現とはかなり違うはずだ。この返信を語学堪能な人が見れば、あるいはその担当者を、ひいてはその学校を馬鹿にするかもしれない。しかしそれは全くの的外れだ。こちらが理解しやすい返事が返ってきたら、その担当者は有能だと判断する材料となりえる。

 学校を選びかねているならば、ここに一ついい方法がある。語学学校カタログやインターネットなどで学校をいくつか見つけたら、これらの学校全てに e-mail を出してみよう。最も早く、最も丁寧な、そして最も分かり易い返事をよこしてきた学校の中から選択するのも一つの方法だ。しかしこの場合、週末や祝日を含んではいけない。いくら事務の対応が良くても、週末には働かないのがドイツという国。時にはヒマな校長が日曜日にメールをチェックして返事を書く場合もあるが、これはあくまで例外だ。平日の月曜日か火曜日当たりに e-mail を出してみれば、事務の応対のよさなんて一目瞭然である
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2003.10.20

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