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ドイツの大学へ

日本から出願?


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 普通はドイツの語学学校に通いながら DSH の準備をし、夏学期なら 1月15日までに、冬学期なら7月15日までに到着するよう大学に願書を送る。しかし出願はドイツに居なくたって可能だ。では日本から出願するときに気を付けねばならないこととは何だろうか。
どうでもイイ 「ちょこっとコラム」-1
 Frau とか Herr は日本語で 「〜さん」 などと訳されるが、実際にはちょっと違うようだ。手紙の差出人名や名刺などにも、自分の名前にこれらの敬称を付加している場合がある。つまりこれは、あくまで肩書きを示すものであって、日本の敬称とは異なるものなのだ。特にわれわれ非ヨーロッパ語圏の人名は、ドイツ人にとってそれが女性なのか男性なのか判断するのは難しい。そこで日本人が自分の住所を書く場合は必ず Frau か Herr、学位などを持っている場合は Dr. や Prof. を、また女性なら Fr.Dr. などと明記するよう心掛けよう。ちなみにボクの名刺に刷られた肩書きは、1996年2月以来ずっと untüchtiger Mann で統一しているが…、誰も真似すべきではない。


距離による送達や連絡の遅延
 まずは期限だ。どうしてもドイツ国内から封書を送るより時間がかかる。もし願書に不備があった場合、大学側には2種類の手立てがある。一つは出願者に知らせて不備を訂正させる、そしてもう一つは願書自体の 「無視」 だ。無視の理由は簡単。「そもそも願書の出し方すら理解できない出願者などDSHを受ける資格はない」。

 不備を訂正させてくれる場合は大学側との相互の連絡が重要となるが、海外に住んでいる場合は問題が多い。例えば電話はほぼ不可能。電話に出た家族はドイツ語など理解できないだろうし、一人暮しでも時差が7〜8時間あるドイツと日本では連絡をとりづらい。しかも電話回線によってはタイムラグも起こるので、やり取りに誤解も生じやすい。結果的に海外在住者にはファクスか電子メールを利用することになるが、ミスの多くはメールアドレスの記入ミスや、読みにくいアルファベットなどによるもの。こういう問題が生じてもドイツ国内に居ればなんとかなるが、海外だともうお手上げ。郵送で連絡していては既にタイムアップである。大学出願において出願時期は重要だ。数多く出願者がいる以上、場合によっては面倒な出願者は無視される可能性もある。よっドイツ国外に在住の場合は、できる限り早期に出願することが望ましい。

 出願に当たっては郵送を使うことになるが、日本の郵便局を利用するなら早くて確実性の高い EMS 便を利用しよう。またもし時間的余裕のない場合の奥の手としては DHL (DHL のホームページ) が有効だ。DHL はドイツ郵政公社が51%の株を買収して子会社化した運送会社だが、現在ではドイツ郵政の小包部門・海外部門を一手に取り扱っている。日本でも都会から地方都市まで窓口はかなり広範囲に分布している。DHL 便でドイツに送る場合は時差も手伝って、なんと翌日配達を実現している。今日の午前に出したドイツ宛ての手紙が、明日のドイツ時間の夕方には受取人の手元に届いている計算だ。送料はかなり高いが、いざというときの強い見方となってくれる。

 また電子メールアドレスなどの記入ミス対策として有効なのは、手書きではなくプリンタで印刷したものや、あるいは欧文の名刺などを同封すること。郵送する際、普通は郵便局や DHL が用意するシール式の荷札を貼るのだが、ここに手書きで記入するだけでなく住所を活字でプリントアウトして封筒に別途貼りつけておくことも忘れないようにしよう。これで送達や事後の連絡に関する諸問題をほぼ解決することができる。


返信用切手の同封義務
どうでもイイ 「ちょこっとコラム」-2
 ところで日本でもドイツでもハガキという料金区分 (日本では第二種郵便物という) があるが、世界的に見るとハガキ料金が存在しない国もたくさんある。これはハガキでも封書でも、結局郵便局が使う労力は基本的に変わらないためと説明されている。そういう理由で今後もし万が一ハガキという区分がドイツ郵政公社から消滅した場合、当然にも IRC で交換可能な切手額面は、海外向け最低限の封書料金が適応されることになる。
 どうでもいいことだけど、ボクはワケあって子供のこから世界の郵便事情にやたら詳しい。日本の郵便法 (小学4年生の頃に暗記) とか万国郵便条約の施行規則とか、今でもほぼ全条を暗誦できそうなくらいに…。

 大学によっては出願時に返信用の切手の同封を要求する場合がある。ドイツ国外に住んでいる者にとってこれは難問だ。日本に居てはドイツの切手を買って同封することができないのだから。こういう時は2通りの方法がある。まず一つは日本の郵便局でも買える国際返信切手券の同封、もう一つは現金の同封だ。では国際返信切手券とは何か。

 国際連合の一機関、UPU - 万国郵便連合が万国郵便条約に定めた各国共通チケットで、同連合加盟国の郵便局で購入することができる。通称 IRC - International Return Coupon。このチケットを同封し受取人が自国の郵便局へ持ち込むと、その国での海外向け優先便の最低料金額の切手と交換してもらうことができる (同条約15条)。あくまで海外宛て最低料金なので、ヨーロッパから日本へ向けて、しかも郵送料は重さによっても異なるため、必要な額を国際返信切手券でまかなうには複数枚の IRC を同封する必要がある。

 実際に IRC が何枚必要かを知るには、まず Deutsche Post (ドイツ郵政公社) のホームページ から郵便料金表を探そう。次に大学側が要求している額の切手が、ドイツ国内向け何グラムまでの封書に適応するのかをチェック。そしてその重さの封書を航空便で日本に送るために必要な国際郵便料金を調べる。更にその料金が、ドイツから発送できる海外向け封書航空便最低料金の何倍分に相当するかを算出。ちなみに下表は2005年1月に改訂された料金体系だ。通貨はいずれもユーロ。日本は 「海外2」 の料金区分に入る。



Standardbrief
重量: 20g まで
ドイツ国内 ヨーロッパ 海外1 海外2
0.55ユーロ 0.55 1.55 1.55
最小: 長さ 140mm x 幅 90mm / 最大: 長さ 235mm x 幅 125mm x 高さ 5mm

Kompaktbrief
重量: 50g まで
ドイツ国内 ヨーロッパ 海外1 海外2
0.95 0.95 2.00 2.00
最小: 長さ 100mm x 幅 70mm / 最大: 長さ 235mm x 幅 125mm x 高さ10mm
(但しドイツ国外宛て最小サイズは 長さ 140mm x 幅90mm)

Großbrief
重量: 500g まで
ドイツ国内 ヨーロッパ 海外1 海外2
1.44 - - -
最小: 長さ 100mm x 幅 70mm / 最大: 長さ 235mm x 幅 250mm x 高さ20mm

Maxibrief
ドイツ国内 ヨーロッパ 海外1 海外2
50g まで 2.20 1.60 3.00 3.00
100g まで 2.20 2.50 4.00 4.00
250g まで 2.20 4.00 7.00 8.00
500g まで 2.20 6.00 7.00 12.00
1000g まで 2.20 8.00 8.00 18.00
1500g まで - 14.00 14.00 28.00
2000g まで - 18.00 18.00 36.00
ドイツ国内
最小: 長さ 100mm x 幅 70mm
最大: 長さ 353mm x 幅 250mm x 高さ50mm
ドイツ国外
最小: 長さ 140mm x 幅 90mm
最大: 長さ + 幅 + 高さ = 900mm (かつどの辺も600mm 未満)

 この郵便料金表から、大学側が要求している郵便料金を算出しよう。上記の表だと、国際返信切手券一枚で 1.55 EUR の切手と交換できることになる。もし 0.95 EUR 分の切手の同封を要求された場合、大学側は50g までの書類を送ろうとしていることが分かる。この場合、同じ書類を日本に送るには 2.00 EUR の切手が必要で、国際返信切手券に換算すれば 2枚送らねば 2.00 EUR に達しないことになる。


現金の送付
 次は現金を送る場合。当然にもまずは現金を用意しなければならない。現金はもちろんユーロで、これは日本国内の多くの銀行で交換可能だ。小さい銀行だと入手に数日を要する場合があるが、都市の銀行なら大抵は即交換可能だ。しかし日本の銀行では基本的に紙幣しか取り扱っていない。2005年現在ユーロ紙幣は5ユーロが最小額面となるため、残念ながらこれ以下のユーロ通貨を準備することはできないのが現状だ。こういう場合は米ドル紙幣の送付も視野に入れよう。米ドルなら1ドル紙幣が存在するため送金に無駄がない。ただ米ドルを送付する場合は、事前に E-Mail で確認をとるようにしよう。

 さて現金の送付方法だが、当然にも普通に封筒に入れて送ってはいけない。



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返送先について
〒86526
ウルム市コロニー広場3丁目

DDAドイツ語学校 方 寺尾蒟


〒78464

コンスタンツ市大学通り10丁目
コンスタンツ大学外国人学生課 御中
ドイツ連邦共和国



 日本から願書を郵送する人だって、せめて DSH の1ヵ月前にはドイツ入りしていることだろう。例えば7月15日が締め切りの冬ゼメ用の出願なら、恐らく8月中には皆ドイツ入りしているに違いない。もちろん中にはDSHの直前に渡独しようとしている人も若干名は居るかもしれない。こういう人は問題ないのだが、むしろ日本から出願するが大学からの返事をもらう頃には既にドイツ国内に居るはずだ、という人。こういう人の場合は、返信先の記入には十分気をつけよう。もちろん日本からドイツの大学へ出願する時点で、ドイツの何処に住む予定か定まっている人なら問題ない。しかし DSH までに通う語学学校も住む家もまだ決まっていないという人の場合、さて大学の返事を何処で受け取ればいいのだろうか。

 方法は状況によって異なる。まず住む家は決まっていないが語学学校は既に決まっているという場合、返信の送り先は迷わず語学学校にしよう。日本風に書けば右のようなモデルになるのだが、注目すべきは左肩の返信アドレス。日本では自分以外の誰かの庇護下にある場合、「◇◇◇◇方」 という風に記述するが、ドイツの場合は 「方」 の代わりに c/o が用いられる。下図は右のモデルをそのままドイツ語に書き換えたものだ。
Hr. Kon Terao
c/o Sprachschule DAA
Kolonieplatz 3
86526 Ulm

An das
Akademisches Auslandsamt
Universitat Konstanz
Universitatsstr.10
78464 Konstanz
Germany
まず受取人の名前を書き、その下の行に逗留先を c/o で明記する。長期滞在予定のホテル名でもOKだ。ちなみに海外へ送る場合、国名は英語かフランス語で表記し下線を引くことになっている。郵便番号は都市名 (あるいは国名) の左側に書くのが通例だ。

返送先としての 「局留 (きょくどめ)」
 さて問題は、大学からの回答を受け取る頃に何処に住んでいるか、出願時点では定かでない場合だ。一つの方法として 「郵便局留め」 がある。住所として例えば、「◇◇◇郵便局留め、寺尾 蒟 さま」 などと記入するやつだ。日本の場合、局留め郵便物は局に到着後10日間の期間を定めて留め置き、この期間内に受取人が現れねば差出人に 「名宛人不明」 として返送されることになっている。

 この留め置き期間は各国郵政当局に一任されており一定ではない。ドイツの場合はは何日かというと…、複数の郵便局で複数の回答を受けてしまった。本来は定まっているはずなのだが、こっちの郵便局員には勉強不足の人間も多い。したがって規則はあっても完璧に守られない可能性もある。小包に関しては一ヵ月が相場だと思われるが、最も短い解答を出したライプツィヒの郵便局員は1週間と言っていた。親書 (ハガキや封書ね) は小包より短い期間が設定されがちであるが、1週間より短いことはないはずだ。よって、週に一回は郵便局に足を運んでみる必要があるだろう。詳しい留め置き期間については、留め置き先の郵便局に直接聞いてみる必要がある。
どうでもイイ 「ちょこっとコラム」-3
 「郵便番号」 はドイツ語で Postleitzahl (PLZ) という。日本では軽視されがちだが、ヨーロッパでは必須。郵便局から差し出すときに郵便番号が書かれていないと、受け付けてさえもらえない場合もある。特に郵便番号は1962年に西ドイツが世界に先駆けて採用した画期的システムなので、ドイツ郵政公社の PLZ への思い入れは強い。だから差出人住所として日本の所在を書く場合も、郵便番号は必ず明記しておこう。また国際便の場合、PLZ の前に D- をつけるとドイツの、A- をつけるとオーストリアの郵便番号を意味する。ところで英語では postal code あるいは postcode という。間違っても zip code ではない。zip はアメリカ固有のシステムだから、これはアメリカ語なのだ。郵便番号のことをヨーロッパで zip code と言って理解されずに困っている日本人を時折見かける。実はボクの高校の卒業証明書にも郵便番号としてデカデカと zip code と書かれているし、なんと日本語版ブリタニカ国際大百科辞典 (小項目電子辞書版, 2004) にさえ英訳として zip の表記がある。実に困ったものだ…。あぁっ、郵便史家の血が騒ぐ!

 さて局留め便の送り方だが、まず住所には 「 postlagernd 」 を使う。そのまま「局留め」 という意味の Partizip I (日本語では分詞だっけか?) だ。次に留め置くべき郵便局を指定しなければならないが、ドイツの何処にどんな郵便局があわるのか分からない日本人とってこいつはちょっと厄介だ。ボクがはじめて局留め便を使ったのはウィーンからライプツィヒへ小包を送ったときのことだった。当時まったくと言っていいほどドイツ語を話せなかったボクはウィーン西駅内郵便局の窓口局員にもてあまされ、局長室で局長と延々話し合って差し出すこととなった。この時もやはり留め置くべき郵便局を何処にするかでもめた。局長はドイツ郵便局リストを手に調べてくれたが、そもそもボクがライプツィヒの何処に住むか決まっていない以上、その選定には時間がかかった。

 結局は局長と話して…、というか、ほとんど 「どれにしようかな、神様の言うとおり…♪」 的に決定され、そこはボクが住むことになった同市南端とは大きくズレた市の西端に位置する小さな郵便局だった。しかも市内交通機関の乗り継ぎの悪いところから悪いところへの乗り換えの上、ライプツィヒは巨大な都市だった。週2回、ボクは旅行用のミニ・カートとともに路面電車とバスを乗り継ぎ、片道約2時間をかけて郵便局を尋ねていた。それは運の悪いことに、途中にいつも25分待たねばならない停留所などがあったからだ。しかし DSH を前にした読者諸氏はこのような目に遭ってはならない。だから留め置き先郵便局はあまりいい加減に選ぶべきではないのだが…、ではどのように選べばよいのだろうか。

 実はこれは簡単だ。自分の住む都市で、もっとも交通の便のよい郵便局を選べばよいのだ (しかしこの場合は当然にも 「住むべき都市」 が決定されていなければならない。住む都市さえ決まっていない場合については後述)。



返送先としての 「局留」 で裏技を使う
住む部屋も語学学校も決まっていない場合、日本人の簡易的に大使館や領事館を住所として利用することができる (ただし、万が一官邸内で紛失されても文句は言えない)のだが、しかし毎度、官邸に足を運ばなければならないためあまりよい方法ではない。。
 


 振込みの問題
 発送元と返信先(ドイツへ移動時)




2004.04.03

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