「ドイツの大学へ」 の目次

ドイツの大学へ

出願時に必要なもの

 大学出願時に必要なものは大学によって多少差があり、詳しくは募集要綱を熟読しなければならない。しかし大抵の大学はほぼ同じ書類を要求するので、参考までに紹介しておこう。

 なお assist e.V 経由の出願に関しては別稿でまとめて解説するので、そちらをご一読願う。

詳細情報へのリンク 出願時に必要となる可能性のあるもの
(全てが必要なわけではなく、個人差あり)
願書と写真 所定の願書一式、写真
学歴証明書 高校卒業証明書・高校成績証明書
大学卒業証明書・大学成績証明書
大学在学証明書・大学合格証明書
語学能力証明書 語学能力検定試験(ZMPなど)の合格証明書
TestDaF などの成績証明書
ドイツ語学習期間証明書 語学学校の在学証明
語学学校の在学期間証明
語学学校の成績証明書
日本の大学のドイツ語学科の在学・卒業証明
日本の大学のドイツ文学科の在学・卒業証明
履歴書 文書形式の履歴書
表形式の履歴書
返信用資材 返信用封筒、返信用切手
国際返信切手券(IRC)

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旧タイプの出願用紙。右上が写真貼付欄。2004年現在も多くの大学で使われている。
まずは願書と写真
 まず当然にも願書がいる。2004年現在、願書には大きく三種類ある。まず旧来から使われている黒一色刷りタイプと、新書式の青黒二色刷りタイプ。この二種は全国共通で、旧式のものも未だ多くの大学で用いられている。これに対し各大学が独自に作っているものもある。またインターネットからダウンロードされたものは大抵、大学の独自仕様だ。全国共通版二種類は、2004年5月現在インターネットからダウンロードできるサイトは存在しないと思われる。

 他のドイツ留学サイトの中には 「別の大学から貰った出願用紙を他大学でも使用可」 と紹介しているものもあるが、大学によっては受け付けない場合がある。出願予定の大学がどの書式の願書を公式に配布しているか分からない場合は、他大学の願書を流用すべきではない。とにかく外国人入学希望者は多いにも関わらず、受け入れ可能人数には限りがある。中には全ての出願要件を満たしていても Ablehnung (受け入れ拒否) を出さなければならない大学側の事情もあるので、できる限り大学のケチの付けられるような出願は避けるべきだ。
新タイプの出願用紙。写真貼付欄がない

 旧書式願書は問題ないのだが、新書式願書には何故か写真貼付欄がない。このため写真を添付するのを忘れて出願する人が結構いるらしい。ボク自身もスグに入れ忘れそうになるので、はがれ易いように写真の裏に弱粘性のテープ(テープ糊)を付けて願書表面に貼って送付するようにしている。

 募集要項にはあまり書かれていないが、写真の裏には必ず名前と国籍をボールペンで書いておこう。写真についてはモノクロ、カラーを問わないし、パソコン用プリンタで写真用光沢紙に印刷した、いわゆる 「デジタルプリント」 も認められる。ドイツに来た当初はプリンタなど買う気のない人も多いだろう。ドイツでは結構頻繁に証明写真を必要とするので、日本でたくさんプリントアウトして渡独することをお勧めする。例えば最初のビザ発行時はもちろん、大学願書出願時、健康保険契約締結時、ドイツの運転免許証取得時(日本の免許証をドイツの免許証に書き換えることができる)、語学学校や大学の生徒・学生証発行時、アルバイト先を探す時などは履歴書にも必要だし、市によっては市内交通機関の定期券を購入する際にも必要だ。必要になるたびに三分間写真の自動販売機にお金を出していては費用もバカにならない。

 ちなみに安手のプリンタで刷られた写真は、直射日光に弱い。デジタルプリントはできる限り光を避け、普段は本などに挟んでおこう。そしてできればモノクロ写真にしよう。モノクロ写真の方が色褪せし難い、というか色褪せしても分かりにくい。

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学歴証明書
ハイデルベルク大学の友人 M.E さんがドイツの大学に出願時添付した「獨協大学合格通知書」。まず日本の業者に翻訳を依頼し、在日ドイツ大使館が真偽を証明、更にドイツでコピー証明したもの(「コピー証明」に関しては別稿参照)

 さて重要なのは母国での学歴証明書だ。ここでよく日本人が間違うのは、最終学歴の証明書さえあればいいと思っていることだ。例えば大卒者は当然にも大学の卒業証明書と成績証明書がいる。しかしこれに加えて、高校の卒業証明書も必要だということになかなか気付かない。日本的発想だと、「大学の卒業証明書があれば、高校を卒業しているに決まってるじゃないか」と思うのも当たり前だが、ドイツは違う。そもそもこの国には大学入学試験というものがないから、大学入学資格の絶対条件はアビトゥーア(Abitur)の所持だ。アビトゥーアは日本の高校卒業資格に近いが、日本のように卒業時に自動的に貰えるものではない。ギムナジウム (Gymnasium) の最終学年である13年生にはアビトゥーア試験があり、これに受からねば卒業できない。逆にアビトゥーアに合格すれば、ドイツ中どこの大学にも出願でき、無試験で大学生になれる(が、志望校に志願者が多い場合は成績順で受け入れが決まる)。

 日本の高校卒業は(一応)アビトゥーア互換とされるので、入学にはドイツ人同様、試験を科されない。しかしギムナジウム13年生は、年齢的には日本の高校4年生に当たる。つまり日本の高校では大学に入るための基礎教育が一年足りないのだ。よって高校卒業のみでは、厳密にはアビトゥーアと同等とはみなされない。しかしもし日本の大学に在学、あるいは既に卒業していれば、高校卒業証明と合わせてアビトゥーアの用件を満たしていることを証明できる。つまりドイツの大学に志願するには、高校の証明と日本の大学の証明の2つが揃わなければならない。よってまとめると、必要なのは高校卒業証明書・成績証明書と、大学の卒業証明書・成績証明書。もし日本の大学に現在在学中であれば、卒業証明書に代えて在学証明書でも可能だ。

 ところで日本の大学に入っていない、つまり高校卒業後すぐの人はドイツの大学には入れないのかというと、実はそうでもない。大学生でなくとも日本の大学入試に合格していれば、高校卒業証明書・成績証明書に加え、大学入試合格証明書を合わせてアビトゥーアの完全互換として認められる。この合格証明書は日本の国公立・私立の区別無く有効だ (ただし大学合格証明書の有効期限は1年。それ以上経過したものは無効)。この場合、高校卒業と同時にドイツの大学に入学できるため、ドイツ人よりも一年早く、言わば飛び級のように入学できる。

 この方法は有効だが、あまり使う人がいないので実はよく知られていない。そこで、この方法を実際に使ったハイデルベルク大学の友人 M.E さんに書類をお借りした。ここで参考までに掲載する。
獨協大学ドイツ語学科の合格通知書。まずこれを業者に翻訳させる

 彼女が東京の在日ドイツ大使館に訪ねたところ、大使館が公式に認める翻訳会社は3軒ほどあるそうだ (恐らく大阪総領事館管轄の翻訳会社も別にあるはずだ)。これ以外の翻訳会社が翻訳したものを、大使館に認めさせるのは難しいらしい。よって大使館が勧める会社のうち、彼女は 有限会社エスウントエー (東京)に郵便で翻訳を依頼した。翻訳後、同社がこれを大使館に持ち込み証明印を貰う。最終的に全て整ったものを、彼女宛に同社に郵送させる形をとった。翻訳後の処理まで業者に委託したのは彼女が東京在住者ではないためで、総額は約12,000円ほどだったらしい (2003年3月)。内訳は翻訳料が約5,000円、大使館への業者代行料が約5,000円、大使館に支払った証明料が1,900円。安い買い物ではない。ちなみにこの証明は出願する大学の数だけ必要とはしない。一部(一組)あれば、ドイツで複製可能。詳しくは別稿参照。

 ちなみに大学によっては、そもそも 「合格証明書」 というものがない場合もある。例えば合格者の受験番号一覧票のみ送られてくる場合などは困ってしまうだろう。そんな時は受験票と合格者リストのコピーを添えて出願するしかないのだろうが、これが認められるかどうかは東京のDAADに直接尋ねるしかない。もし「OK」が出たら、DAADに必ず一筆、大学宛の公式文書を書いてもらうことをお勧めする。
合格通知書を Zulassungsbescheid (入学許可証)として翻訳したもの


 そしてもう一つ可能性がある。「日本の大学入試に受からなかった!」 という人は、仕方がないので、無試験で入れる日本の大学を探そう。例えば大学の夜間部、あるいは第2部と言われるクラスだ。しかしこの場合は入学試験というものがないので、合格証明書を提示することができない。よって合格証明書に代えて、大学の在学証明書と成績証明書が必要だ。このためには、結果的に最短でも半年は日本の大学に在学しなければならない。もしその大学の全ての単位が「通年制」、つまり成績が一年毎に計算される大学ならば、最低一年在学せねばならないことになる。なぜならとにかく「成績証明書」を必要とするからだ。

 さて、入試のない大学として問題となるのは「放送大学」だろう。日本の放送大学は規定の単位を取得すれば大学卒業と同等と認められるのだが、残念ながらこればかりは半年在籍してもアビトゥーア互換とは認められない。

 また日本の高校を出たが大学をには入っていない。しかも夜間部はもとより日本の大学に入る気はさらさらなく、しかも大学入試すら御免だという人は、もちろんドイツの大学出願要件を満たしていない。この場合はドイツの大学に申し出て、卒業要件を満たすための教育を受けさせてもらおう。この機関が大学併設の Studienkolleg で、授業料は大抵無料。多くは母国の教育だけでは不充分とされる、特に第三国からの大学志願者が半年から二年程度ここで学ぶ。Studienkolleg で必要科目の単位を取るとDSHは免除されるが、はっきり言ってDSHを受験するより難しい。
翻訳された書類が原本と同じ内容であることを、在日ドイツ大使館が証明。大使館の公印が押されている

 さて、これらの証明書類は (Studienkollegを除く) 全て日本で得られる証明書だ。しかし日本語の証明書をドイツで提出しても読んでもらうことはできないので、ドイツ語または英語に翻訳しなければならない (ほとんどの大学では独・英語のほかフランス語も認められる)。これを日本で翻訳してもらうと非常に高額だ。まずは高校や大学で証明書類を発行してもらう際、ドイツ語か英語かフランス語の証明書が制作可能か必ず聞こう。英語版ならばどこの高校でも大学でも大抵可能なはずだ。大学に出願する際はこれらをコピーして提出しなければならない(原本は不可)ので、一組か、予備を含めても二部あればことは足りる。コピー及びコピー証明に関しては別稿を必ず参照のこと。

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語学能力証明書
 次に必要なのは語学能力証明書である。ドイツに大学入学試験が無いことは既に何度も書いたが、外国人に限っては語学試験が科される。これは学力を示すものではないから入学試験とは言わず、あくまで 「大学の講義を理解できるだけの語学力があるか」 ということのみ検査される。これを示すには ゲーテインスティテュート(以下ゲーテ)のZOP (ドイツ語統一上級試験: Zentrale Oberstufenprüfung)、あるいはこれより上級の合格証明書があればよい。

 しかしもしこの試験を受けていない場合は、大学が課す語学試験に合格すれば 「語学能力は十分」 として認められる。この試験がつまり DSH - Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang / 外国人大学入学志願者ドイツ語試験である。要はこの試験に合格できれば大学に入れるのだが、しかし誰でもこの試験を受けられるというわけではない。まずは最低限の語学能力を有していなければならない。

 では 「最低限」 とは何か。ゲーテの ZD (ドイツ語初級統一試験: Zertifikat Deutsch) ではまだ足りない。ZMP (ドイツ語統一中級試験 Zentrale Mittelstufenprüfung)の合格証明書が必要だ。かつては DSH に受かるか、あるいはこの ZMP 合格証があれば入学できたが、今日では不充分 (ただし一部の大学では ZMP でも入学を許可する大学があるという)。つまり大学の要求するレベルはどんどん上がっており、一部の大学のDSHでは既にZOPに迫る難易度を見せている。ZMP はゲーテの試験であるが、何もゲーテの試験のみが有効ではない。ZMP に相当する試験に合格していれば最低限の語学証明となる。ではどんなテストが ZMP 互換なのだろうか。まずゲーテが認めている試験。語学学校によってはゲーテと連携しているところも少なくなく、自校のテストをゲーテに ZMP と同等と認めさせていたりする。こういう試験はまず問題ない。

 ではゲーテと提携していない語学学校の中級試験 (Mittelstufenprüfung) はというと・・・・、少し問題がある。州認定の語学学校であれば、取りあえず大学で受理されるはずだ。しかし州認定校でないと認められない可能性もある(後述のドイツ語学習期間証明書の項を参照)。その場合は語学学校に通いながら、別途ゲーテの試験を受ける必要がある。これに関しては語学学校側、あるいは大学の受付窓口に直接尋ねるしかない。ちなみに中級試験には二段階あって、認められるのは中級試験2 (Mittelstufenprüfung II) だ。しかしそれでもゲーテのZMP でなければ認めないという大学もあれば、最初から DSH 試験を実施しないで、ZOP 合格者にしか入学許可通知 (Zulassungsbescheid) を出さない大学もあるので、詳細は募集要綱を読まなければならない。

 そのほか有効なものに TestDaF がある。TestDaF は DSH 互換として DAAD (ドイツ学術交流教会) が主催する語学テスト。中身は DSH とほぼ同じで長文読解、聞き取り、作文、文法の4科目からなり、試験結果はそれぞれレベル1〜5まで。最高はレベル5で、4つ全ての科目においてレベル5の成績であれば、間違いなくドイツ中どこの大学でもDSH免除される。またいくつかの科目でレベル4があったとしても、多くの大学でこれを認める傾向にある。いくつまで4があっても許されるのかは大学によって異なる。しかしレベル3の成績が混じった場合は、DSH免除対象にはまずならないだろう。ではそのような成績表は全くの無駄かと言うとそうではなく、レベル3がならば最低限のドイツ語証明として出願時に提出することができるだろう。

 まとめると最低限の語学証明としては、ZMPかそれに類する中級試験の合格証。しかしこの合格証に書かれている 「成績」 はそれほど重視されない。とにかく 「合格証」 であることが重要なのだ。

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ドイツ語学習期間証明書
 ゲーテ(あるいはゲーテと提携している語学学校)以外の中級試験しか受けていない場合、語学能力不充分と扱われる場合がある。しかしこの場合は合格証と併せて、「ドイツ語学習期間証明書」 を提出すればなんとか認められる。本来 「学習期間証明書」 は全ての出願者が提出しなければならないが、ゲーテの ZMP に受かっている場合などはあまり重要視されない。重要なのはゲーテに関連していない出願者であり、学習期間が短いと入学許可書を受け取ることができない。

 ではどのくらい学習していればよいかというと、普通の大学は 800 時間前後を目安としているようだ。対して体育系、美術系は 600 時間程度 (ただし音楽系は語学能力を問わない場合がある)で OK。しかし大学によっては更に長期間の学習実績を求める場合があり、例えばベルリン大学は(確か)1000 時間以上と聞いたことがある。そもそも大抵の DSH はドイツ語学習時間約 1200 時間レベルに設定されているはずなので、入学許可を出す目安が 800 時間であるとはいっても、結局は 1000 時間以上の学習が必要である。

 ちなみに、入学許可証を出す目安となる 「800時間」という数字、実は募集要項に詳しく書かれていない場合が多く、大学内部の人間に聞かなければ分からないのが実状だ。だから出願する大学が、実際のところ何時間を目安にしているかは定かでない。日本人の好きな「謙虚さ」を前面に出して、少なめに書いてしまうと悲惨な目にあうので、書くなら少し多めに書くことをお勧めする。

 しかしだからと言って、いくらでも多く書けばいいのかと言うとそうではない。その時間数には証明が必要だ。例えば語学学校の在学証明書や、終了・成績証明書が学習時間証明になる。もし日本の大学のドイツ語学科やドイツ文学科の学生なら、教授のサインによって学習時間を証明できる。ただし、大学ドイツ関連科の教授が個人的に開いているドイツ語教室に出席している場合など、これは公的に認められない。大学のほか公的に認められた語学学校、つまり学校法人に指定された学校のドイツ語クラスに正規参加していた場合などは、講座か学校の責任者のサインによって学習時間を認めさせることが可能である (詳細は必ずDAADに確認をとること)。

ちなみにボクの場合は学校をいくつも替えたにも関わらず、毎度毎度ちゃんとした証明書を得なかったために、全ての証明書類が揃わなかった。ただし出願時に通っていた語学学校の証明書だけで既に500時間以上の証明があり、しかもその学校は中級の終わりから受講しているので、規定時間をクリアしているのだろうと判断されたらしい。もっともボクの場合、ドイツ語を学んだ学校名が願書の所定欄に書けないほど並び、しかも初めて出願した時点で既に 1600 時間を越えていたので疑う余地はなかったのだろう。
 
表形式の一般的な履歴書(クリックで拡大)

 まとめると・・・・、とにかく語学学校で学んだ際は必ず証明書を貰っておくこと。日本の語学学校に学んだ場合も、必ずドイツ語版の証明書を発行してもらうこと。不安があれば、願書の学習時間を明記する欄には、多少多めに数字を書いておくこと。この書類も、必ずコピー証明して提出すること。ただし現在通っている語学学校が、大学宛に作成した「在学証明」に関してはコピー証明の必要がない。まぁ、証明するに越したことはないが。これについては別稿参照

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履歴書
 多くの大学では出願時に履歴書の提出を必要とはしない。これは正規の願書の中に簡易的な履歴を記入する欄があるからで、わざわざこれに追加して同じ内容の履歴書を出す必要などないのだ。しかしこの常識が全ての大学に通じるワケではない。出願時に履歴書の添付を求める大学も存在するからだ。例えばケルン大学を例に挙げると、特に注目すべきは Schriftlicher Lebenslauf を要求している点だ。では、そもそも Schriftlicher Lebenslauf とはなんだろうか。schriftlich は 「文字で書かれた」 だから、要するに履歴書なのね…、と思ってしまう人もいるはずだ。しかし 「知らぬ」 ということは恐ろしい。そもそも日本にはこんな書式の履歴書など存在しないのだから。

 ドイツ語の履歴書の書き方には大きく2通りある。Tabellarischer LebenslaufSchriftlicher Lebenslauf だ。前者は表形式、後者は文章形式だ。ケルン大学が求めたのは後者の文章形式であり、これは単に履歴書が欲しいというのではなく、既にこれ自体が振り落としのための語学チェックの一環と考えられる。DSH は振り落とし式の試験ではない (別稿参照 が、入学許可証 Zulsssungsbescheid の発給には明らかな振り落とし作業 (別稿参照 が伴う。願書の書き方が悪ければ 「ドイツ語を理解できない人」 と判断され、「入学許可証の発給に相当せず」 との評価を受ける可能性もあるのだ。文章形式の履歴書提出はこれに拍車をかけたもので、作成には時間をかけて練ったほうがよいだろう。

 まずは表形式の履歴書 Tabellarischer Lebenslauf から説明しよう。現在では表形式が一般的で、文章形式はほとんど使われなくなっている。誰しも一度は作成しなければならないので、


このページはただいま執筆中です。ごめんなさい。もうしばらくお待ち下さい。





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